平成22年春期試験問題 午前Ⅱ 問18

DBMSのトランザクション管理に関する記述のうち,適切なものはどれか。

  • 2相ロック方式は,分散型データベースのための制御方式であり,集中型データベースでは使用されない。
  • 資源をロックする時間の長さのことをロックの粒度といい,この粒度が細かいほど,トランザクションのスループットは向上する。
  • ダーティリードを許すなど,隔離性水準を下げると,トランザクションのスループットは低下する。
  • 同時実行制御の目的は,データベースの一貫性を保ちながら複数のトランザクションを並行に処理することである。
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分野:テクノロジ系
中分類:データベース
小分類:トランザクション処理
解説
  • 2相ロック方式は、トランザクション処理で読書きが必要になったデータにその都度ロックをかけていき、全てのロックを獲得した後にだけロックの解除を行うことができるロッキングプロトコルです。2層ロック方式は集中型、分散型を問わずトランザクションの直列化可能性を保証するために多くのDBMSで使用されています。
  • ロックの粒度とは、データベース、表、物理的な入出力単位であるブロック、行といったロックをかける資源の単位をいいます。粒度が細かい(ロックの範囲が狭い)ほどロック解除の待ち時間が少なくなり、トランザクションの並列実行性が増します。
  • 隔離性水準とは、SQLトランザクションを実行する際にオプションとして指定できる性質です。隔離性水準を下げると並列実行するトランザクション同士が干渉しやすくなってしまいますが、処理効率は向上します。
  • 正しい。同時実行制御は、複数のトランザクションが同時に並行実行される状況でも、適切なスケジューリングやロック制御を行うことでデータベースに不整合がないようすることを目的とします。

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